近年、「シナリオの神様」と稱される新藤兼人の監督デビュー作で、妻を病気で失うシナリオライターが主人公の半自伝映畫である。映畫の中に登場する監督が、新藤兼人の師匠である溝口健二がモデルだと分かるし、貧しいシナリオライターを勵まし続ける妻役を乙羽信子が演じているのも興味深い。戦爭の影が濃くなる時代に、何とか映畫を作り続けようとする映畫人の気質や時代背景をバックに、何度もシナリオの書き直しを要求する一見非常な監督、夫が一人前のシナリオライターになれるよう陰で支え続ける妻。人に対する思いやりや目的を達成するための努力。日本人が失いかけているものがある映畫である。
導演:
新藤兼人/
更新:
2024-07-08
備註:
正片
豆瓣:愛妻物語
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